Category Archives: 商品先物
さくら×タップダンス×津軽三味線
「ギャラリーさくら」で4月22日(日)開催された
タップダンス×津軽三味線のイベント
RONxII meets SAKURA「シャバダバダバ」を観てきました。
【2回のライヴ映像は、ustreamで観ることができます】
「ギャラリーさくら」は東京都新宿区の中井にある
着物を中心に取り扱う古民家ギャラリー。
RONxIIさん は映画「座頭市」で下駄タップを披露した方です。
この近さで超一流のタップステップを観ることができる幸せ。
着物を纏ってのタップダンス。
津軽三味線との絶妙な掛け合い。
もちろん、下駄タップも存分に披露してくださいました。
ライヴの途中、
電気がなかった昔の夜を再現するかのように
照明が消されて
ろうそくの灯りだけになりました。
古民家特有の天井の高さが闇に深さを与える中で
津軽三味線とタップの音だけに集中して五感を呼び覚ます快感。
ミキシングされていない生音のステージからは
ふたりが叩き、奏でるままの叫びや情熱が直に伝わってきます。
タップダンスを愛する人たちと着物が大好きな人たち。
ひとりひとりがそれぞれの思いを持ち寄って集まり、つながっていく。
なんて贅沢な時間を過ごしたことでしょう。
パフォーマンスの合間にRONxIIさんが語った言葉が強く心に残っています。
タップダンスは黒人の世界から生まれたもので、
会話を禁じられた強制労働者たちの挨拶の手段として使われていたもの。
元はといえば日常会話。着物は日本人が普段着として日常に着ていたもの。
それが今ではタップダンスはエンタテーメント、舞台で見る特別なものとなってしまい、
着物も和服、高級というイメージで
両方とも「非日常」のものになってしまった。タップダンスも着物も敷居が高いものではない。
今回のイベントのような機会をたくさん設けて
この「非日常」になってしまったものを「日常」へと戻したい。
その思いは商品先物取引についても同じだと感じました。
商品先物取引…。
昔は豪農が米相場で財を成したり、
商社が生糸や綿糸の相場で業績を上げたりと
もっと「日常」で利用されていました。
近年になってから投資対象としての商品先物取引は
業者が無理な営業活動を続けたため、市場規模の縮小が続いています。
現在、国内の商品先物取引所(東京工業品取引所/東京穀物商品取引所/関西商品取引所)で
取り扱っている商品は、
「コメ」「金(ゴールド)」「プラチナ」「ガソリン」「灯油」「コーヒー」「とうもろこし」「ゴム」
など日常生活にかかせないものばかりです。
しかし、商品先物取引そのものは日常には不要なものと考えられていますし、
人々の「日常」から忘れ去られようとしています。
今回の心揺さぶられるライヴを観て決意しました。
商品先物取引を少しでも身近なものと感じていただくために
商品先物取引とのコラボイベントを企画したい。
さ、きもので楽しみましょう。+(プラス)
着物姿でタップダンスを見た後に、
「商品先物取引っていったい何なの?」という疑問に答えたり、
魅力や怖さについて雑談したりする。
そんな場を「ギャラリーさくら」で作りたい!
[Text:Sachiko Suzuki]
[短縮URL]http://www.wordz-on.co.jp/?p=1033
商品先物取引所の出来高減少を憂う
4月に入ってから商品先物取引所の出来高の減少が止まりません。
3取引所合わせて1万枚を超えたのは、2日、5日、11日と16日の4回のみ。
一日1000枚に満たない銘柄は、
東京工業品取引所
日経・東工取商品指数先物/銀/パラジウム/ガソリン/灯油
東京穀物商品取引所
コメ/Non-GMO大豆/コーヒーアラビカ/コーヒーロブスタ/粗糖
関西商品取引所
コメ/コーン75指数/コーヒー指数/冷凍エビ/トウモロコシ/米国産大豆/小豆/粗糖
4月17日に傍聴した産構審では
商品先物取引全体の活性化について話し合っていますが、
個々の銘柄の流動性を高める方策については、時間の関係もあって議論できずにいます。
そんな中でカーギルジャパンの佐藤委員が
商品先物取引の機能や特性を幅広い層に伝える勉強会が必要だとの意見を述べられ、
現物を扱う当業者向けの説明をカーギルジャパンが引き受けてもよいとの
頼もしい提案をしてくださいました。
各商品取引所は本気で商品先物取引普及のための啓蒙活動をしていますか。
東京穀物商品取引所からの銘柄移管問題がはっきりしないから
営業活動に力を入れないというならそれは本末転倒でしょう。
商いができないときだからこそ、
あえて商品先物取引の必要性を当業者へ説いて回りたい。
全国行脚するのでしたらお手伝いするのになあ…。
コンビニの商品みたいに、
「売れないものは即、撤去」としていいのでしょうか。
もちろんそのために試験上場制度があるのですが、
一度市場を閉鎖してしまったら、復活はなかなか大変です。
本気で営業努力をしてから、
移管しない=上場廃止を決めてほしいと願っています。
[Text:Sachiko Suzuki]
[短縮URL]http://www.wordz-on.co.jp/?p=949
産業構造審議会 第4回商品先物取引分科会
第2回、第3回に引き続き、4月17日に傍聴してきました。
委員は第3回と同じ16名。
欠席は慶應義塾大学経済学部教授の池尾和人氏と一橋大学大学院商学研究科教授の橘川武郎氏。
大学教授は会長の早稲田大学法学部教授尾崎安央氏を含めて3名ですが、
そのうち2名が揃って欠席したことになります。
テーマは前回同様、「商品市場の活性化の方策・健全な発展の方策について」です。
日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の大田委員が「不招請勧誘がなぜ必要か」について、
東京工業品取引所取締役代表執行役社長の江崎委員が「日本の先物市場の活性化に向けて」を
それぞれ資料を使ってレクチャーしました。
その後で委員ではありませんが、ギンガ・ペトロリアムの新村社長が
OTC市場を運営する立場から活性化について意見を述べ、
「先物市場の一般化」というアイデアを示しました。
コメを例にしての説明でしたが、
一般プレイヤーが買った先物を身近にあるスーパーマーケットで
現物に変えて購入する仕組みを作ったらどうかという提案を聞きながら、
[大手 販売店・
スーパーマーケット]
の部分に
イオン×NTT西日本グループ×シャープが共同開発したタブレット端末
A touch Ru*Run(エータッチ ル・ルン)
に入っている「イオンネットスーパーサービスアプリ」を使えないかと思い立ちました。
実はこれ、商品先物取引を活性化するヒントが何か見つかるかもしれないと
4月15日(日)に立ち寄ったイオングループ主催のシニア向けイベント
グランド・ジェネレーションズ コレクション in 東京
で知ったサービスです。
イオンのネットスーパーの商品カテゴリに
小口化して現物の買い取りが可能な商品として[コメ先物]を追加してもらえたら
一般の人はもっと気軽に商品先物取引を使うようになるのではと考えてしまいました。
ネットスーパーの食品の中に商品先物取引を追加するなんてもってのほかだと
主婦連合や消費者団体の方々からお叱りを受けそうですが、
ネットですから、無理な勧誘にもなりませんし、
専用コールセンターによるサポート機能がありますので、
オペレーターが買う前にやさしく丁寧に商品について説明してくれたり、
買った後の売り方についても親身になって相談に乗ってくれたりすることでしょう。
少し乱暴な提案かもしれませんが、
新村社長が資料に
「少し思い切った方策をとらないと、市場は活性化しないと思うし、
このままでは、衰退してしまうのではないだろうか」
記されているように、
「これはだめだろう」「そんなことできるわけがない」という固定観念を捨てて
考えてみることが大事だと思っています。
資料の最後には「Swaps」や「WTI」などの意味を解説する「用語集」が添えられていました。
OTC市場について審議会に参加した方たちに広く理解してもらおうという姿勢が感じられましたね。
次回は骨子案について議論するそうです。
今回は議論する時間があまり取れなかったので、
次回は各委員たちが活性化の方策実現に向けて
積極的に意見交換するところを傍聴できるよう期待しています。
[Text:Sachiko Suzuki]
[短縮URL]http://www.wordz-on.co.jp/?p=917
産業構造審議会 第3回商品先物取引分科会
3月28日(水)に傍聴してきました。
委員は前回と同じメンバーに主婦連合会事務局長の佐野真理子氏が加わった16名。
荒井日本商品先物取引協会の荒井会長が欠席、
東京穀物商品取引所の渡辺社長も欠席で畑野常務が代理出席。
「商品市場の活性化・健全な発展の方策」がテーマなのに、
商品先物業界を代表するお二方が欠席とは淋しい限りでした。
始めに日本商品先物振興協会会長の岡地委員が「先物市場の活性化策について」を、
住友商事エネルギー本部長の高井委員が「我国が目指すべき総合コモディティ市場の姿」を
JX日鉱日石エネルギー需給本部副本部長の細井委員が「石油当業者による商品先物の活用について」を
資料を用意してそれぞれ10分程度のプレゼンを行いました。
高井委員が「どうしたら数字が増えるかという各論ではなく、総論を。
総合取引所をアジアのべンチマーク市場に」
として示した姿を理想論ではありますが、めざしたいと思いました。
そのあとの意見交換ではそれぞれの委員がそれぞれの立場で意見を述べられましたが、
カーギルジャパン穀物グループ総括部長の佐藤委員が
農作物先物市場の存続を強く主張されたことが特に印象に残りました。
不招請勧誘の緩和については
商品先物業界側の主張と消費者側の認識のずれは埋まりませんでしたね。
事務局は「アジア各国の商品先物市場をめぐる最近の動向」として、
韓国、シンガポール、中国の現状を報告。
各国ともに商品先物の出来高は低迷しているようですが、それなら今が日本のチャンスです。
国を挙げて商品先物取引を盛り上げてアジアの覇者をめざしたいものです。
最後に「商品先物市場の活性化・健全な発展に向けた方策について」として
これまでの議論等を踏まえた検討用メモ(たたき台)が提示されましたが、
その内容は特に目新しいものではありませんでした。
商品先物取引に対するイメージアップ(マイナスイメージの払拭)には
今までも日本商品先物振興協会を中心に各取引所や取引会社が取り組んできています。
それなのになぜ、ここまで商品先物取引は低迷したのでしょうか。
それは不招請勧誘のせいでも、
商品先物業界の規模か縮小し、外務員の数が減ったからでもありません。
伝わっていないのだと思います。
商品先物取引のことを知ってほしい人へ。
本当に商品先物取引を利用してほしい人へ。
まったく商品先物取引のことを知らない一般の人へ。
伝えたいことがきちんと届いていないから流動性が確保できないのでしょう。
なぜ伝わらなかったのか、その理由を検証していないことも
低迷の原因のひとつだと思います。
誰をターゲットにするかとか、そういうことではなく、
活性化策の方向そのものががずれているような気がしてなりません。
答えは商品先物業界の中だけを向いていても見つかりませんよ。
コメ先物取引の基本データ
2011年8月8日、72年ぶりに復活した商品先物業界悲願のコメ先物。
取引できるのは東京穀物商品取引所と関西商品取引所の2カ所です。
取引条件等を比較してみました。わかりやすいように修正したり抜粋したりしていますので、詳しくは各取引所の「取引要綱」で確認してくださいね。
東京穀物商品取引所 (取引要綱) 関西商品取引所 (取引要綱)
コメ先物について取引所が提供している資料をご紹介します。
■東京穀物商品取引所
コメ先物市場
Mr.トーコクの「農産物先物取引」講座/農作物先物取引シミュレーション[コメ]
初めての受け渡し
■関西商品取引所
コメ先物取引情報室
コメの先物取引を始めるにはみたい!と思ったらどうすればいいのでしょうか。
商品先物取引会社に口座を開けばいいのです。
■東京穀物商品取引所
商品先物取引業者名簿
■関西商品取引所
受託会員
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日本人なら、お米のご飯。おにぎり、お寿司、カツ丼大好き!!!
日本のコメ先物取引。投資家だけでなく、一般の方々にもその存在を知らせたいです。また生産者や卸業者などお米の現物を取り扱う皆さまにはもっともっと活用していただきたいと願っています。