「コメ先物市場の灯を消すな 」というタイトルがあまりに嬉しかったので、
6月29日付日経の社説を全文を引用させていただきます。
現状の出来高からすると悲観的になりますが、業界人よ!奮起しましょう。
私たちがやらずしてどうして灯を灯し続けられるのですか。
農林水産省は農業団体に配慮し、コメ先物はない方がいいと考えているのだろうか。農業政策の重要分野だからと市場の監督権限にはこだわる。にもかかわらず必要な市場活性化策を出さないのだから、そう思わざるを得ない。
コメの先物取引が国内で72年ぶりに復活したのは昨年8月。東京穀物商品取引所は茨城県などの関東産コシヒカリ、関西商品取引所は石川県などの北陸産コシヒカリを試験上場した。
しかし、今年5月末までの1日の平均売買高は東穀取が403枚(1枚は6トン)、関西商取は779枚(同3トン)にとどまる。東穀取が目標としていた5千枚を大きく下回っている。
経営不振の東穀取は、来年2月に上場商品を移管し、解散すると発表した。トウモロコシや大豆など主力商品の行き先は東京工業品取引所に決まった。ところが、コメだけは関西商取に移る。主管取引所での取引にこだわる農水省の意向が働いたという。
昨年の関西商取の売買高は東工取の0.6%にすぎない。東穀取のコメ先物は関西商取に移ると、時間を区切って取引する昔ながらの売買手法に戻る。
株式や金融先物、商品を一括して売買できる総合取引所が誕生する場合も、コメ先物は加わらない。監督権限は農水省が握る。
農水省がそこまでコメ先物にこだわるのなら、農業団体に取引への参加を促すなど売買を増やし、市場を機能させる支援策を出すべきだ。関西商取も所轄官庁としてテコ入れしてほしい。
売買は低迷していてもコメ先物の効用は出ている。昨年11月に始まった現物の受け渡し決済は、流通企業などがコメ調達に利用している。5月には現物市場の品薄感を映して東穀取のコメ先物が上場来高値を付け、国内唯一の価格指標として機能し始めた。
試験上場のコメ先物は来年夏までに本上場の適否が判断される。せっかく復活したコメ先物を試験上場だけで終わらせたくない。
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