立川志の春さんが出演するゴールド落語会のご案内

ワーズオンがチラシの作成と裏面の取材記事の執筆を担当した
ゴールドフェスタ事務局主催の落語会。いよいよ今週木曜日23日に開催です。
まだまだお申し込み受付中! http://goldrakugo-vol1.peatix.com/

日時:2014年10月23日(水)19:15-21:00 開場18:45-
会場:東京・千代田区 日比谷コンベンションホール
料金:前売2,000円 当日2500円

インタビューの紙面ではお伝えきれなかった「落語」の魅力を体感しにいきましょう。

立川志の春というオトコ
華麗な経歴を捨て去って、落語家になったオトコ
早稲田界隈のカフェで「朝落語」終わらせてから取材場所に現れたそのオトコの風貌は、とても普通だった。このままネクタイ締めてスーツを着たら、かつて勤めていたニッポンを支える商社の営業マンに今だって見える。そんな印象のオトコがなんでまた落語家を職業に選んだのか質問してみた。答えは「師匠(立川志の輔)の落語に惚れたから」。
心酔が一夜限りではないことを確かめるため、入門までの11ヵ月間約300日で、4派を含め100以上の落語会・寄席を見て回ったという。3日に1本ってスゴイ。
気持ちに迷いはないと決めて立川志の輔師匠に弟子入り。前座修業には平成の時代なのに昭和の世界観が一際色濃く残っていた。立川流の成り立ちの独特な事情も手伝って、寄席に入らない代わりに師匠の付き人・運転手業務がメインの前座時代。高座や「ためしてガッテン」から垣間見える柔らかいイメージとは違い、師匠志の輔は弟子の育成には人一倍厳しい師匠だった。
貧乏は苦にならなかったが、自分の時間がまったくなかったのが一番辛かった。常にスタンバイ状態でいなくてはならないため、携帯電話を恨んだ日々もあった。想像以上に厳しい修業を乗り越えられた要因は何だったのか。それは、「意地、ですね」。商社を辞めて背水の陣。二十代そこそこの若手なら逃げ出せるが、社会経験もある自分はどこで働いても仕事が甘くないことは知っている。何よりも絶対に落語家になりたいという気持ちが強かった。落語家になって、師匠の落語から受けた衝撃を今度は自分が伝えたい。師匠からは前座としての気働き、落語の基礎を徹底的に叩き込まれた。前座修業を8年半務め上げ、二つ目になって3年半が経つ。
一般的に落語家は前座5年、二つ目10年のおよそ15年で真打となる。順調に行けばあと3年でその芸暦15年を迎える。二つ目時代は実力をつけるためいろいろなことをやって経験値を増やすとき。「僕は前座が長かった分、その期間が同期ぐらいの人より短いので、経験値が圧倒的に少ない。だから今はがむしゃらに話す場をたくさん持ちたい」。高座で滑ったらそのときのお客さんは二度と来ないかもしれない。受けが取れなくても絶対に途中で投げ出さない。噺を聴きに来たお客さんにはかならず何かを持ち帰ってもらうという気持ちで毎回真剣勝負している。

噺(はなし)が始まると、志の春が消えるのが理想
このオトコが供奴の出囃子に乗って登場し、立川談志師匠と同じ「丸に左三蓋松(ひだりさんがえまつ)」の紋付きの羽織をビシッと着て高座に上がったら、どんな風に変わるのか。
志の春はめざす落語の極みを演者としての自分の存在を消し去ることだと言い切る。噺が進むごとに志の春の姿は消えていくが、志の春の世界感は残る。落語に惚れたときの師匠、立川志の輔の落語がまさしくそうだったように。
落語家がしゃべるとその情景が「絵」として見えてくるときがある。その瞬間を観客が同じ場所で共有することが落語の醍醐味のひとつ。それを味わうには生で落語を観るしかない。
志の春は言う。「落語は不親切。聴いた人が想像力を膨らませなければいけない」。志の春が描く「絵」は見えるか、見えないか。志の春の姿は全部消えるか、半分か。堅苦しいことは抜きにしてまずはそれを確かめにいきたい。観客がみんなで同じ絵を見ることができたらそれはすばらしい体験になる。ゴールド落語会では古典に、新作。英語の噺も飛び出すようだ。一見落語家らしからぬオトコの話しっぷりを堪能しにいこう。(Text Sachiko Suzuki)

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